いただきもののライチ。これがおいしくてびっくりした。汁が飛び散るくらいみずみずしいのだ。目がまるくなった。
ライチの原風景は、子どもの頃、親に連れられていった中華料理店のデザート。ライチの実は甘くて、異国の味がしておいしくて好きだった。思えば、それは缶詰のライチ。シロップの甘さに浸されたライチだったけれど、でもときめいた。
大人になると、食事のシメにライチシャーベットというのもあった。冷凍ライチをもらうこともあった。ライチ本来の味よりも、ライチ風味が勝っていただろうなと思う。
梅雨の台湾でライチのシーズンが始まった。初もののライチは緑がかってものすごい高価だと聞いていた。今回、相方がいただいてきたライチは緑がかっている。
くださった方がアドバイスをくれたそうだ。「おいしいライチです。でも一度に10粒以上は食べないように気をつけてくださいね」。
その後、アジアに暮らして、節々で生のライチに出会ったけれど、玉荷包という名のこのライチは格別だった。11粒食べたくなる。